50代で仕事を辞めたいと考えている人は意外と多いようです。いくつになっても人間関係のいざこざや労働環境の悪さ、収入の低さなど仕事の悩みは辛いですよね。
一方で、「でももう50を過ぎてるし…」と退職を躊躇する人も多いかもしれません。50代で仕事を辞めて、果たして次の仕事は見つかるでしょうか?
本記事では、50代で仕事辞めてもなんとかなった人の体験談をはじめ、50代で退職したい人が理解しておきたいポイントについてまとめました。
50代で仕事辞めてもなんとかなる? 体験談を紹介
50代で仕事を辞めると聞くと、「次の仕事は大丈夫?」「リスクが高いのではない?」と心配になる人が多いと思います。本当に50代で仕事を辞めてもなんとかなるか不安になりますよね。
この章では、実際に50代で仕事を辞めて新たなスタートを切った人の体験談をご紹介します。「辞めてもなんとかなる人はいる!」というモチベーションになるので、ぜひ参考にしてみてください。
仕事辞めて念願の海外留学へ
実母はいろいろあって仕事辞めた50過ぎて念願の留学で大学院生になって、修論を気に入った向こうの教授に慰留されたが帰国してきてそれまでの職歴と留学で身につけたスキルとのフュージョンで就職して20年弱、まだ現役だし。キャリアの作り方、生き方、ほんといろいろある。
引用:Twitter
夢を叶えるのに年齢は関係ありません。50代で退職し、念願の海外留学を果たした方もいます。
この方のお母様の場合、留学先でキャリアにつながるようなスキルを習得したため、帰国後も再就職できたそうです。
帰国後の再就職を考えている人は、「ずっと憧れだったから」という理由だけで海外留学に行くよりも、転職活動を見据えてスキルを習得するなど、キャリアにプラスになることを学ぶのがおすすめです。
56歳で起業した人も
18歳で上京、23歳で広告会社に入社、32歳でアメリカへ自費留学、貯金使い果たして一文無しで帰国、33歳で外資系ネット通販の日本ビジネス立ち上げに成功、50歳でリストラ、3回の転職、56歳で会社を辞めて独立。振り返ると、今までいろんな国のいろんな人に支えてもらった。皆さん、ありがとう。
引用:Twitter
50歳でリストラにあった後、3回転職して56歳で起業したという方もいます。
実は、最近ではセカンドキャリアとして起業する50代が増加中。今の職場の将来に不安を覚えた人が退職して起業するケースが多いようです。
ただし、起業は決して楽な道ではありません。上で紹介した方も、30代でビジネスを立ち上げた経験があったからこそ成功したとも言えます。
起業はとても魅力的に見えますが、経営経験ゼロの人がいきなり起業しても成功する確率はかなり低いと思ってください。
「50代で退職してもなんとかなる人」は確かにいます。しかし、このような人はそれまでの経験や実績を生かしたり、事前に何をするか決めていたりと、しっかりと計画を立てています。
50代が行き当たりばったりで退職して次を見つけるのは、かなり厳しいと思っておきましょう。逆に事前にしっかり準備をしている人は、なんとかなる可能性が高いです。
50過ぎてからの仕事はあるの?
起業やフリーランスとして働くのはちょっと…という人は、転職を考えることになります。
しかし、50歳を過ぎてから採用してくれる会社は本当にあるのでしょうか?
50代の転職率に関するデータをもとに、50代の転職のしやすさについて見ていきましょう。
50代の入職率は5〜10%と厳しい現状
厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、男性・女性のそれぞれの入職率(新しく就職した人の割合)は次のようになります。
50~54歳 | 55~59歳 | |
---|---|---|
男性 | 5.1% | 6.0% |
女性 | 10.0% | 7.8% |
女性のほうが男性よりやや高いですが、どちらも10%以下とかなり低い割合です。このデータを見ても、50代での転職は難しいことがわかります。
なぜ50代の転職は厳しいのか?
では、なぜ50代での転職は厳しいのでしょうか?主に次の理由が挙げられます。
- 若い世代と比べて高い給与を希望する人が多く人件費がかかる
- プライドが高いのでは? と会社側が心配する
- 採用してもすぐに定年を迎えてしまう
- 健康面で問題を抱えている人が若い年代より多い
50代は、これまでの会社で比較的高い給料をもらっていた人が多いと思います。転職先でも同等、あるいはそれよりも高い収入を得たいという人が多いと思いますが、採用する側からすると、よほどいい人材でなければ高いコストを払うことに躊躇してしまうでしょう。
さらに、経験や実績が豊富な年代だからこそ、プライドが高く、年下の上司や先輩に指導されるのが嫌になってしまうのではないか、という心配をする会社もあります。
その他、定年に近い・健康面への不安など、50代には他の世代にはない懸念事項があります。そのため、「若い世代を雇ったほうがいい」と考える会社が多く、そもそも50代の求人を出さないことも。
結果として、50代の転職が厳しくなるのです。
これまでのキャリア・スキル次第で転職は可能
50代での転職が厳しいのは事実ですが、決して不可能ではありません。50代で転職に成功している人も多数います。
50代で転職するためのポイントは、次の4つ。
- これまでのキャリアを生かせる求人を探す
- ある程度の収入ダウンを覚悟する
- 会社規模などにこだわりを持ちすぎない
- 転職エージェントを利用する
50代の転職となると、採用する会社は「即戦力」となるキャリアやスキルを求めていることが多いです。高い専門性や若い世代にはないマネジメント経験が評価されやすく、採用につながりやすくなります。
また、会社規模やポジション、年収に固執すると、転職が厳しくなります。年収は転職前より下がることが多いので、それを受け入れる覚悟が必要です。
さらに転職活動は自力で行うよりも、転職エージェントを利用するのがおすすめ。50代はそもそも求人自体が少ないですが、転職エージェントは非公開求人も多く、採用のチャンスが増えます。
このように、50代の転職はポイントをしっかりと押さえて、効率的に進めていきましょう。
どうしても仕事を辞めたい! 後悔しないためにやっておきたいこと
他の世代に比べて、次の仕事を見つけるのが難しい50代。それでも「どうしても会社を辞めたい!」と考えている人もいますよね。
退職を本気で考えている50代の方が、後悔しないためにやっておきたいことを4つご紹介します。
今の会社を去るべきかもう一度考えてみる
退職へ動く前に、まずは今の会社を本当に去るべきかよく考えてみてください。
もちろん人間関係や残業の多さが原因で心身の疲れを感じる…という場合は、退職したほうがいいかもしれません。知らず知らずのうちに自分を追い込んで、気づいた時には心や体の病気になっていたら遅いからです。
一方で、「ただなんとなく辞めたい」「自分はもっと評価されるべきだ」などが理由であれば、今の会社にいるべきかもう一度考えてみるのがおすすめです。
50代での転職は思っている以上に厳しいことが多く、明確な理由と強い意志がないと退職を後悔する可能性大。
なぜ自分は退職したいのか、今の会社で自分の悩みは解決できないか、まずは自分の気持ちを整理してみましょう。
万が一に備えて生活費の6ヶ月分を用意しておく
50代での転職は時間がかかることが多いです。エン・ジャパン株式会社が実施した「ミドルに聞く転職活動期間実態調査」によると、50代の半数以上が転職に半年以上かかったと回答しています。
転職活動が長引いた時のことを考え、もしもに備えて生活費を最低でも6ヶ月分程度は用意しておきましょう。
失業手当の申請手続きについて確認しておく
転職先が決まらないまま退職する場合は、失業手当を受給できます。
失業手当の金額は、離職前の50~80%程度。給付日数は離職前の会社での勤務期間により異なりますが、自己都合退職の場合は最長で150日分給付されます。
失業手当を受け取れれば、多少無職の期間が長引いても焦ることなく転職活動に専念できるでしょう。
ただし、失業手当は辞めたら自動的にもらえるものではなく、自らハローワークで申請を行う必要があります。また、申し込んでから給付までに2ヶ月程度かかるので、必要書類や手続き方法などについてあらかじめよく確認し、退職後すぐに申請できるようにしておきましょう。
参考:ハローワーク
退職手続きを確認しておく
退職を申し出る前に、必ず退職時の流れや手続きについて確認しておきましょう。
一般的には、まず上司へ退職の旨を伝え、退職日や今後のスケジュールを調整します。退職願を提出したら業務の引継ぎに入り、各種書類の受け渡しや備品の返却などを行い、退職するという流れになっています。
退職を申し出る際には、就業規則で「⚪︎ヶ月前」などと定められている場合もあるため、事前に確認しておくといいでしょう。
ただ、中には退職を受け入れてくれなかったり、次が決まるまで退職を待つよう慰留されたりするケースも少なくありません。
人員が不足している会社や上司がパワハラ気質な場合などは、退職を渋られる可能性があります。スムーズに退職できそうかどうか、それとなく探ってみるのがおすすめです。
なお、「会社を辞めたいのに、会社側が受け入れてくれなくて困っている」という悩みを抱えている人は、退職代行サービスの利用をおすすめします。
退職代行サービスは、退職希望者の代わりに退職にかかる次のような手続きを行ってくれるサービスです。
- 会社に退職の旨を伝える
- 退職願を提出する
- 有休などの交渉する
このような退職に必要な手続きを全て丸投げできるので、自分で会社に行く必要もなく、即日退職も可能です。
執拗な引き留めや嫌がらせで悩んでいる場合、退職代行を利用することでスムーズに辞められる可能性があります。退職が難航しそうなら、退職代行サービスの利用を積極的に検討してみましょう!
以下の記事で、おすすめの退職代行サービスを紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
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まとめ
50代での退職は、簡単ではありません。転職にしろ独立にしろ、強い意思を持ち綿密な計画を立てる必要があります。
50代で仕事辞めてもなんとかなる人は確かにいますが、「なんとかなるでしょ」と闇雲に会社を辞めるとうまくいかず後悔する可能性が高いです。
上でご紹介した転職のポイントや後悔しないためにやっておきたいことを押さえて、納得できる道に進んでみてください。