退職代行の利用を「やめとけ」と言われる理由は? デメリットを挙げ解決策を紹介

退職代行の利用を「やめとけ」と言われる理由は? デメリットを挙げ解決策を紹介
自分で会社を辞めたいと言い出せず、「退職代行を利用しようかな…」と考えている人も多いでしょう。

しかし、友達や家族に相談すると、「退職代行を使うなんてやめとけ」と言われてしまった…という人もいるかもしれません。

そこで本記事では、退職代行が「やめとけ」と言われてしまう理由やデメリットを詳しく解説します。退職代行サービスを選ぶ際の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

退職代行の利用を「やめとけ」と言われる理由は?

退職代行は、自分で退職の手続きをすることが難しい人にはとても便利なサービスですが、「利用するのはやめた方がいい」と言われてしまうことも多いです。

なぜ退職代行の利用は「やめとけ」と言われてしまうのか、その理由を詳しく解説します。

ネガティブな意見を持つ人が多い

自分で退職の意思を伝え、引継ぎなどをしてから退職するという流れが一般的なため、業者から退職する旨を伝える退職代行にはネガティブな印象を持つ人が多いです。

ネット上にも、以下のような意見がありました。

6月末で退職代行で辞めるってやばいかな?笑 もうこんな仕事やってられないんだけど笑 親も辞めて良いって言ってくれたし、代行で辞めようかな🤔
会社の上司の人には代行だけはやめとけって言われたけど、ただでさえ人少ないんだから言っても辞めさせないだろ

引用:Twitter

やめたいなら早めにいったほうがいい
間違っても退職代行はやめとけ

引用:Twitter

特に退職代行を使って社員に辞められた会社の人などは、「社会人にもなって非常識だ」「退職代行なんて使う奴はクズだ」と思っている人も多いようです。

退職代行が世の中に浸透していない

このようなネガティブな意見が多いのは、まだ世の中に退職代行サービスが浸透していないことが原因だと考えられます。

退職代行サービスがメディアに取り上げられるなど、注目を集めたのはここ数年のことです。

周りに利用した人がいないことも多く、どんな人がどんな理由で退職代行を使うのかなど、その背景についてあまり理解されていません。そのため、「他人を介して突然辞める」という点だけがクローズアップされ、「バックレと変わらない」「無責任だ」といった否定的なイメージを持つ人が多いのです。

しかし、退職代行の利用者は年々増加しており、サービスに対する認知度も高まってきています。退職代行を使わなければ辞められない事情がある人もいることを理解してくれる人も増えてきているため、次第にこのようなネガティブなイメージは払拭されていくでしょう。

退職代行のデメリットとは?

退職代行には「自分で退職の意思を伝えなくていい」「出社せずに辞められる」といったメリットがありますが、中にはデメリットも存在します。

そこで当サイト辞めエール編集部では、実際に退職代行サービスを利用した人にアンケートを実施。利用してみてわかった退職代行のデメリットを紹介します。

退職手続きを依頼するだけでお金がかかる

自分で退職を切り出せば一円もかからないわけですから、やはり金銭的には損をした感じは拭えません。
あまりにすんなり退職できたので、自分で切り出してもおそらく同じだっただろうと思います。

40代前半男性・液晶パネルのライン工

退職して今冷静に考えると、利用したことに関してはとても満足ですが、利用料金の3万は少し高額なのかなと思えてきました。自分がパワハラ上司に対して強く言い返したりできていたなら、失わなかった3万だったのではないかなとも思います。

30代後半男性・製造業営業

退職代行を利用すれば、少なからずお金がかかります。自分で退職を切り出せばかからなかった費用なので、後になって惜しく感じる人もいるようです。

特に、職場と揉めごとや交渉することがないような場合だと、退職代行にお願いするのは退職の意思を伝えることのみ。すんなり退職できた場合は、「これだけのことにお金をかけなくてもよかったのでは」と思ってしまう人もいるでしょう。

もちろん、ひどいパワハラがあるなど「もう会社に行きたくない」と精神的に追い詰められている場合は、退職代行を利用することが有効です。

しかし、上司などが話をちゃんと聞いてくれそうな場合や、まだ自分に精神的な余裕がある場合は、一度自分で相談してみることをおすすめします。そこで引き留めにあうなど退職に難色を示された場合は、退職代行の利用を検討するといいでしょう。

職場の人と顔を合わせにくくなる

辞めた会社の同僚や先輩には、退職代行サービスを利用したことがばれてしまい、その後疎遠になってしまいました。

30代前半女性・不動産会社事務

退職した職場の人間と顔を合わせづらい、といったデメリットはあります。
地方在住で、生活していると退職した職場の人間にたまに会い、少々気まずいです。
あと、退職代行を使ってしまった後ろめたさのようなものはあります。

40代前半男性・農協スタッフ

退職代行を使って会社を辞めると、親しくしていた同僚などとこれまでのように良好な関係を保つことは難しくなります。

「退職代行を使って辞められた」ということは、残された職場の人たちにとっては衝撃的なことです。まだ退職代行が世の中に浸透していないこともあり、「ありえない」と怒る人も多いでしょう。

また、自分としても後ろめたい気持ちがあり、職場の人と顔を合わせるのが気まずくなってしまいます。口コミでも、「買い物などの際に偶然会ってしまうと気まずい」「前の職場の人に会わないようにコソコソ行動しなければならないのが辛い」という声がありました。

特に職場が生活圏にある場合は、このように気を遣って行動しなければならなくなる覚悟もしておく必要がありそうです。

もしお世話になった人や仲の良い同僚などと今後も関係を続けたい場合は、個別で連絡を取り感謝やお詫びの気持ちを伝えておくといいかもしれませんね。

弁護士でないと対応できない業務がある

アフターフォローが弱いと感じました。
私の勤務先のように、辞めると給料を支払わないというなど、嫌がらせのようなことをする会社も中にはあります。
アフターフォローがなかったため、自分で労働基準監督や弁護士へ相談しなければなりませんでした。

20代後半男性・不動産投資会社営業

退職を考えた時点で有給が35日ほど残っていました。
退職代行の担当者の方のおかげで20日分は有給消化用の休暇を取れましたが、残りの15日についてそこまで交渉できなかったことがもったいなかったです。

20代後半女性・コンサルティング職

退職代行サービスは、業者によって対応できる業務が異なります。業者選びに失敗すると、上記口コミのように「有給を全て消化したい」「未払い給与を請求したい」といった自分が求めているサービスが受けられない場合もあるため、注意が必要です。

退職代行サービスは主に「弁護士」「労働組合」「民間企業」の3つの運営元があり、この内あらゆる業務に対応できるのが弁護士の運営する業者です。

口コミのように嫌がらせを受けている、交渉に応じてくれないなど、会社とトラブルになっている場合は、弁護士が運営する退職代行サービスでないと対応ができません。

すんなり退職できそうにない、会社とトラブルになりそうといった場合は、弁護士が運営する退職代行サービスを利用するようにしましょう。

なお、弁護士が運営する退職代行サービスとして、当サイト辞めエールでもおすすめしている「弁護士法人みやび」があります。

弁護士法人みやびの退職代行サービスについては、以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる人はチェックしてみてくださいね。

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円満退社にならない可能性がある

業者から連絡を入れてこなかった上、円満退社とはなりませんでした。
結局最後に会社から電話がかかってきたうえ、小言を言われる羽目になりました。
自分でも簡単に辞めることができたのでは? と後悔しています。

30代後半男性・在庫管理・事務

会社や同僚との関係が悪化したこともありました。退職代行を利用したことを会社や同僚には秘密にしましたが、何人かにはバレたようです。私は、会社や同僚から、非常識だとか卑怯だとか言われました。私は、会社や同僚との関係を円満に終わらせたかったのですが、それができませんでした

20代前半男性・医療機器販売営業

退職代行を利用すると、円満に退社することができない可能性もあります。

口コミでも、退職代行を利用したことで「会社から文句を言われた」「同僚から罵倒された」という声が見られました。

退職代行を利用する場合は、退職の挨拶や引継ぎもなく突然辞めることになります。会社や同僚には少なからず迷惑をかけることになり、あなたのことをよく思わない人も出てくるでしょう。

自分が一方的に会社との関係を断ち切る選択をした以上、必ずしも円満に辞められるわけではないことは覚悟しておきましょう。

少しでも円満に辞めたい場合は、あらかじめ引継ぎ書を作っておき机の中に入れておく、私物の整理をしておくなど、会社側にかかる手間や迷惑を極力減らすようにしておくのがおすすめです。

退職代行を利用して後悔しないための4つのポイント

退職代行を利用したことを後悔しないためには、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。

  1. 自分が何を求めるかによって業者を決める
  2. 料金比較はした方がいい
  3. 依頼する際に自分の希望はしっかり伝える
  4. 余裕があれば口コミをチェックしておく

各ポイントについて、以下で詳しく解説していきます。

1.自分が何を求めるかによって業者を決める

先ほど少し触れましたが、退職代行サービスは主に3つの運営元があり、それぞれ対応できる業務が異なります。退職代行を依頼する前に、自分の求めているサービスが受けられるかどうか、よく確認しておきましょう。

弁護士
労働組合民間企業
料金相場2.7〜7.7万2.0〜3.0万1.2〜2.7万
退職の意向
退職届の代筆
有給消化交渉
未払い給与交渉
退職金の交渉
裁判の対応
上記表を見るとわかる通り、弁護士運営の退職代行サービスは、退職の意向を伝えることから裁判の対応までさまざまな業務に対応できます。

例えば、「未払い残業代を請求したい」という場合は、弁護士が運営する退職代行業者でしか対応できません。労働組合も「交渉」は可能ですが、「請求」はできない点に注意しましょう。

特に、会社とトラブルを抱えていたり、交渉に応じてくれそうにない場合には、弁護士が運営する退職代行サービスを利用すると安心です。

一方、民間企業は対応できる業務に限りがあるものの、その分安価にサービスを利用できます。特に交渉や請求するものがなく、退職の意思を伝えてもらうだけでいいという場合は、民間企業運営の退職代行業者でも十分でしょう。

2.料金比較はした方がいい

退職代行利用時の後悔ポイントとして、よく「料金比較をしておけば良かった」という点が挙げられます。実際に退職代行を利用した人からも、以下のような声がありました。

利用する前に、他にもっと低価格なサービスがないか、どんなプランを選べば良いのかを調べておけばよかったと少し後悔しました。
焦って申し込みをしたので、おそらく他社より高いのでは?と感じてしまいました。

30代前半女性・不動産会社の事務

料金を比較する際には、単純に安さだけに注目するのではなく、自分の求めるサービスに見合った金額かどうかもよく見ておくといいでしょう。例えば、退職の意向を伝えてもらうだけでいいのに比較的高額な弁護士運営の業者を利用してしまうと、少しもったいないですよね。

退職代行を利用する際には、心身ともに疲れ果てていて料金比較までする余裕がない方も多いかもしれません、しかし、後で後悔しないためにも料金比較をしっかりしておくのがおすすめです。

なお、退職代行サービスの料金については、以下の記事で詳しく解説しています。退職代行サービス主要30社の料金を徹底比較していますので、ぜひ参考にしてみてください。

3.依頼する際に自分の希望はしっかり伝える

退職代行を依頼する際には、自分の希望をしっかり伝えておくことが大切です。

今回寄せられた口コミには、「希望がちゃんと伝わっていなかった」という声もありました。

代行当日は勤務開始時間よりも代行業者が会社側へ連絡する時間が遅かったので、会社から連絡がきて無視することへの罪悪感やドキドキしていました。

30代後半女性・介護士

また、「連絡する相手を間違えられた」「私物の返却を希望したがしっかり伝わっていなかった」というような声も聞かれました。

退職代行を利用する際には、以下のようなポイントについてよく確認しておくといいでしょう。

  • 退職代行を決行する日時
  • 退職希望日
  • 退職理由
  • 有給を消化するか
  • 退職金や未払いの給与・残業代を請求するか
  • 返却してほしい私物があるか
  • 備品や貸与品など会社へ返却するものがあるか
  • 送付してほしい書類(離職票など)があるか
  • 連絡拒否の希望の有無

多くの退職代行業者では、LINEなどで何度でも相談が可能です。正式に依頼する前に自分の希望が叶えられるかどうかよく確認し、退職代行決行時の条件などもしっかり打ち合わせしておきましょう。

4.余裕があれば口コミをチェックしておく

退職代行業者の中には、「お金を払った後に連絡が取れなくなった」など悪質な業者も存在します。退職代行業者を選ぶ際には、本当に信頼できる業者かどうか口コミをチェックしておくのがおすすめです。

例えば、「親身になって対応してくれるか」「手続きにどれくらい時間がかかるか」などは、実際に利用した人の声を聞くのが一番参考になります。

以下の記事では、退職代行利用者から集めた口コミをもとに、おすすめの退職代行サービスも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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ここまで退職代行のデメリットや注意点をご紹介してきましたが、退職代行の利用は悪いことばかりではありません。

ここからは、「退職代行を利用して良かった!」という人たちの声をご紹介していきます。

出社せずに辞められるので精神的に楽だった

会社から直接連絡が来ないようにしてくれたので、怒鳴られたり出社して辛い思いをしなくてよかったのは大きなメリットでした。

30代前半女性・不動産会社の事務

退職届を提出しても受理されない社員を見ていたので、自力では辞められないと思っていました。
しかし、会社の人と顔を合わせずに、あっさりと辞められて本当によかったと思います。

20代後半男性・不動産投資会社の営業

退職代行を利用する最大のメリットは、「出社せずに辞められる」ことです。

特に「上司が怖くて辞めたいと言い出せない」といった場合などは、会社の人と相対する必要なく退職の手続きができるのは嬉しいポイントですよね。口コミでも、「精神的にとても楽だった」という声が多く聞かれました。

自分で退職の申し出をする場合は、しつこい引き留めにあうなどなかなか退職が認められないことも。しかし、退職代行業者を通したことで会社側があっさり退職を認めてくれる場合もあります。

「退職を申し出た後も出社するのは気まずい」「もう会社の人の顔も見たくない」という人も、退職代行を利用することでそうした精神的な負担から解放されるでしょう。

面倒な手続きを全て任せられる

退職金などお金に関する話や、40日残っていた有給休暇の扱いがどうなるかなどを、会社に話さないといけないと思うと憂鬱でしたが、それらも全てやってくれたのは大きなメリットだった。

40代前半男性・経理事務

面倒な作業や、人間関係からの言いづらさもなく、退職代行が全てやってくれるのでスムーズにできました。

20代後半男性・建物管理の営業

退職代行を利用すると、退職に関する手続きを全て丸投げできます。口コミでも、「面倒な手続きを全てやってくれて助かった」という声が多くありました。

退職代行を依頼したら後は業者からの連絡を待っているだけでOKなので、休養や転職の準備など有意義に時間を使えます。

業者によっては有給消化や未払い賃金などの交渉・請求なども請け負ってくれるため、面倒な交渉や手続きを自分で一切しなくていいのは大きなポイントです。

まとめ

ここまで、退職代行の利用はやめとけと言われてしまう理由やデメリットから見た解決策・注意点などをご紹介してきました。

退職代行にはまだマイナスイメージを持つ人も多くいるのは事実です。しかし、辞めたくても辞められない状況にいる人にとっては、物理的・精神的な負担を軽減してくれるありがたいサービスと言えます。

周囲からどう思われるかを気にして我慢していると、心身の健康を損ねる可能性もあります。

もし退職したいと悩んでいるのなら、今回ご紹介した注意点なども参考に、退職代行サービスを利用して新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

調査概要

調査主体者辞めエール編集部
調査目的退職代行サービス利用者の実態調査
調査方法インターネット調査
対象者退職代行を利用した10〜50代
対象地域日本国内
実施期間2023年02月10日〜02月24日
調査人数100名